ペルーの歴史

おとついスカパーのナショナルジオグラフィックで
放送されていた「State of Fear(恐怖の国家)」。
日本語の題名は「終わりなき恐怖:ペルー・テロとの戦い」
というのだけど、ちょっとニュアンスが違う感じに聞こえてしまう。
ここでのテロとは、国家の指導者だから。

ペルー人の知合いの女性に、アメリカに留学中、祖国ペルーで
フジモリ大統領による恐怖政治が始まったのでアメリカに留まり、
家族からの仕送りも途絶える中、がんばってアメリカでキャリアを
積んだ人がいる。
日本はフジモリ元大統領を亡命先として受け入れてしまっている。
そんなことから、興味を持って見てみた。

ペルー国内で、テロリストが行うテロ活動の収集をつけるために、
フジモリ大統領が独裁政治体制をしく。この時点では国民の多くも
それを支持する。
ペルー警察の調査から、主要なテロリストが割り出され逮捕される。

テロの脅威は山場を超えるが、その後もフジモリ大統領は独裁政権
を手放さない。三権分立も無視できる体制を作り、「テロの脅威」を
理由にマスコミで人々の不安をあおる。

テロに関わっているとして、大勢の無実の市民や、政権に批判的な
ジャーナリストなどを、どんどん逮捕していく。途中でマフィアの
主要人物も政権に加わり、恐怖政治は度を増していく。

こんな恐怖政治の中にもかかわらず、ペルーの人達は最後には
立ち上がり、立ち向かっていく。大規模なデモや、腐敗の証拠が
出される中、政権は崩れ、フジモリ大統領は日本に亡命する。

その後、「真実委員会」が綿密な調査をして、殺戮やレイプや拷問
などの事実が明らかになっていく。事実を伝える博物館が設立され、
学校でも何が人権侵害なのか、教えていく。

これを見て思うのは、いつから、どの時点から、恐怖政治になるの
だろう?ということ。安全を守るには仕方がないと、国家に権力を
委ねていたら、国家が一部の力のある人達に完全に掌握されて
しまって、止める仕組みが無くなってしまっていた。

恐怖政治になってしまったら、人々は怖くて批判や発言もできない
のだから、更に止めるものは何もない。そんな中で立ち上がったのだから、
ペルーの人達は本当にすごいと思う。

今の時代に、学ぶところが多い番組だったと思う。

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